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CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 0 ]TB[ ] 2006年12月20日23:24

毎年お正月が来るたびに思い出すことがあります。それは10年以上前のことなのですが、ともかくその年の私はお正月にバイトをすることにしたのです。そしてアルバイト情報誌を片っ端から読みあさり「とにかく楽しそうで割りの良い」といういささか虫のいいバイトを探していました。
すると・・・ありました!


「楽しい仲間とわいわい働いてみませんか?日給1万円!」


おお?これは良さそうだ!3日間だし、やってみるかっ!

私は早速、情報誌に載せられている電話番号に電話をかけました。すると感じの良い男の人が出て仕事の説明をしてくれました。彼の説明によると、初詣の関係の仕事ということでした。私は自分の名前と連絡先を告げ、集合時刻と集合場所を聞いて電話を切りました。集合時刻は12月31日の夜の9時、集合場所は神社の前でした。初詣の仕事かあ、なんか楽しそうだなと私は少しワクワクした気持ちになりました。

その日お正月のバイトのことを当時付き合っていた彼氏(現在の夫)に話すと「それはテキ屋だよ!テキ屋のバイトに違いない!」と言いました。「テキ屋・・・。」当時私と夫は「代紋TAKE2(エンブレム テイク ツー)」というマンガを読んだばかりだったので、「テキ屋=極道=血で血を洗う抗争」という怖い図式が頭に浮かびました。「遅刻とかしたらきっと怖いぞ!」という彼氏(夫)の脅しにより私のワクワクは恐怖へと変わりました。


※『代紋TAKE2』(エンブレム テイク ツー)は、1990年2月19日から2004年8月30日発売号まで講談社の漫画週刊誌『週刊ヤングマガジン』に連載されていたSFヤクザ漫画。原作木内一雅、作画渡辺潤。2005年4月30日に61、62巻を同時に発売し完結した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



そして大晦日を迎え、夜9時に私は神社へ向かいました。神社の前は初詣客を相手にする屋台がその準備をはじめていました。私のほかに3,4人同じように待っている人がいて「ああ、きっとこの人たちもそうだな」と思いました。そして約束の時間になると年配の少し小柄な男性が私達のほうにやってきました。「おお!おつかれさん!よう来てくれたね!」喋り方からこの人が電話の男性だと分かり少しホッとしました。彼は私達バイトを連れて屋台がずらりと並ぶ参拝道を歩きました。彼は歩きながら屋台の人たちに声をかけるのですが、彼の話し方と屋台の人たちの受け答えからどうやら彼はかなり偉い人であることが分かりました。


偉い人=組長



く、組長でしたか!私の体に一気に緊張感が走りました。やがて屋台が2つ3つ軒を連ねる一角に着き、組長は「アンタはここ、アンタはここね。」と早口で人員を割り振り、「頑張ってねえ。」と笑顔で消えていきました。



私が配属された屋台ではスキンヘッドで体格のいい、眉毛のない男性が待っていました。彼の胸元には金のネックレスが光っていました。
「こ、怖い・・・!」でもそれを顔に出すわけには行きません。「よろしくお願いしますっ!」私は深々と頭を下げて屋台の中に入りました。屋台は「タイ焼き」で仕事の内容は「男性がタイ焼きを焼いて、私がそれを箱に詰めて販売する」というものでした。

夜の神社に参拝客が集まり始めました。私は男性が焼いたタイ焼きを5個ずつ箱に詰めて並べ始めました。すると突然男性が、



「オイ!姉ちゃん!」

「ひっ・・、は、はいっ!」

「ここになあ、箱に名前が書いてあるやろ?
 これを客の方に向けんとイカン!」



箱を良く見ると箱の片側に○○堂と書いてあります。そうか、これが組の名前なんだな。確かに組の名前ならばケツを向ける訳には行かないな!



「すみませんでしたあっ!!」



私は90度の角度で頭を下げました。


「ああ、まあこれから気をつけてくれりゃええよ・・・。」


男性は私の謝罪にやや面食らったように答えました。
やがて時刻は12時に近づき神社は参拝の人でにぎわってきました。
私は箱の向きに細心の注意を払いながら、大声で叫びました。



「いらっしゃいませー!」

「焼きたてのタイ焼きはいかがですかー?」



先ほどの失敗の穴埋めをするかのように私は満面の笑みで
呼び込みをはじめました。その途端・・・



「オイ!姉ちゃん!」

「はっ、はい?」

「あのなあ・・・。そんなに元気よう叫んだらイカンのよ。」

「えっ!?そ、そうなんですか?」

「それとなあ、客と目え合わせるのもイカンのよ。ちょい見といてよ。」



男性はタイ焼き機をひっくり返しながら呼び込みをはじめました。



「・・・しゃいせー。・・らっしゃいせー。」



男性は客と全く目を合わせることなく、ややだるそうな感じで
誰に言うともなくつぶやきました。

私は今まで私が考えていた接客業の基本というものの対極を行くこの接客スタイルに驚きを隠すことが出来ませんでしたが、考えてみれば元気いっぱいのさわやかなテキ屋さんというのも少し変な感じがしますし、今までお祭りなどで見た屋台は確かにこんな感じだったような気もします。
と、納得したところで早速私もこのスタイルを取り入れることにしました。

視線は前方斜め下、ややぶっきらぼうなやる気のない感じで、



「・・・しゃいせー。・・・やきたてでーす・・・。」


「おっ!そうよ。そんな感じでな!」



こ、これでいいのだ!?
男性にほめられてやる気の出た私は、ますますやる気のない態度で



「・・・らっしゃいせー・・・。」



と呼び込みを続けました。そして、そうこうしているうちに一日目のバイトは終了の時間を迎えました。







ー長くなるので続きますー






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CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 2 ]TB[ ] 2006年12月17日12:53

我が家ではたまに朝食やおやつにホットケーキを食べます。
材料は市販のホットケーキミックスを使うこともありますし、
自分で適当につくることもあります。

家では小麦粉・牛乳・卵・砂糖・ベーキングパウダーでつくっていますが、
調べてみたら「ホットケーキ」にもいろんなレシピがあるようです。
ホットケーキも味噌汁と同じで各家庭の味があるのかもしれませんね!

ところで子育てをしていると忘れてしまっていたはずの昔のことがよく思い出されるようになりました。ホットケーキ、子どもは大好きですよね。うちの娘たちも大好きですし、私も子どもの頃ホットケーキが好きでした。






それは私がまだ5歳か6歳のころだったと思います。私には5歳年上の姉がいて、姉は当時小学校4年生か5年生くらい、ちょう
ど学校で家庭科の調理実習が始まった頃でした。ある日学校から帰った姉が私にホットケーキを作ってくれることになりました。(私が姉に頼んだのか、姉が「ホットケーキ作ってあげる」と言ったのかはっきり覚えていないのですが。)

姉は「小麦粉に水と砂糖を入れたもの」をフライパンで焼きました。それを食べた姉は首をかしげて困ったような顔をしていました。おそらく自分のイメージしたものと違ったのでしょう。でも私はそのホットケーキ美味しかったんです。砂糖が入っていて甘かったからなのか空腹だったからなのか理由は分かりませんが、姉に気を使ったわけではなくて「姉ちゃん、美味しいよ!」とガツガツとそれを平らげました。

それを不憫に思ったのか、はたまたプライドが許さなかったのか、姉はその後よくお菓子を作るようになりました。クッキーやマドレーヌ、バレンタインの近くには溶かしたチョコを使って何やら作っていたのをよく覚えています。
もちろん今度はレシピ通り
の本格的なもので、私も兄も喜んで食べていました。姉が「学校の友達に」と作った分まで欲しがっては困らせたものです。
そん
な姉も今では2児の母、料理上手なお母さんです。




けれども今でも時々「姉が一番はじめに作ったホットケーキ」をまた食べてみたいなあ、なんて思ってしまうんです。姉に言ったら怒
られそうですが、
それはそれは美味しかったのですよ!






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CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 5 ]TB[ ] 2006年12月15日16:43

本日腰を痛めてしまいました。もともとヘルニア持ちなので腰痛はしょっちゅうなのですが、今回はほとんど動けません。まず「ギクッ」となってから時間がたつにつれどんどん痛くなって来ました。横になったまま痛くて寝返りも打てず、ハイハイすら出来ない状態でした。

その後1時間ほど横になってなんとか起き上がることができました。おっ!楽になったなーと、嬉しく思った私はコーヒーを入れることにしました。腰を曲げたままゆっくりと台所へ行き、片手なべに水を入れ火にかけてリビングに戻りかけたその時・・・


ドゴーン!


と腰に激痛が・・・!


「は、ハウっ!!」


う、動けない・・・。


腰を刺激しないようにおそるおそる体を横たえて、


「な、なべが・・・!火を消さなきゃ・・・!」


私はほふく前進でジリジリとガスコンロへ向かいました。パチパチ・・・ジュッ・・・、あっ沸騰してる音だよ。怖いなあ・・・。一生懸命手を伸ばしてようやく火を消し止めました!間一髪です!ところで皆さん、台所の床の雑巾がけはマメにした方がいいですよ、こんな時のために。

 

火を消し止めた私は「もう何もすまい。ただひたすら夫の帰りを待とう・・・。」
とまたゆっくり横になりました。すると・・・

 

ピピピッ、ピピピッ!

 

ああーファンヒーターの灯油が切れたー!
何てこった・・・。

 

今日のこの地方はとっても寒く、ファンヒーター無しではいられません。
いまぐっすり昼寝中のかぶと(次女・1歳)が寒くて起きちゃうかもしれない!
あまりの寒さに風邪を引いちゃうかもしれない!

私は首を持ち上げました!(立ち上がれないので)
ファンヒーターのところに這って行ってファンヒーターガードにつかまりながら身を起こしました。赤ちゃんを熱風からガードするだけでなく、こんな使い道があったとは・・・!


空の灯油タンクは軽く、苦もなく運ぶことが出来ました。
電動のポンプで灯油を入れて、運ぼうとしたら・・・


ズシッ・・・!


そしてまた腰が

 

ピキーン!!

 

「ぐはあああっ!」


敵にパンチを打ち込まれた少年マガジンの主人公のように私は叫びました。そして思わずその場に膝をつき、


「さすがは最新式・・・!


とつぶやきました。昨年買い換えたばかりのこのファンヒーターは
灯油がたくさん入るのが売りなんです。 ※もはや最新式ではありません。


ずしんと重い灯油缶をどうしても片手で持ち上げることが出来ず、座った
まま天に捧げるように両手でファンヒーターの上に乗せ、滑らすようにして
ファンヒーターにおさめました。なんとか任務終了です。


そして今は何とかパソコンの前にやってきてブログを更新中です。
座卓式なので半分ねっころがった状態でもOKです!パソコンが低い位置にあると普段は子ども達がいたずらして大変なのですが、こんな時はとても便利ですね。


そんな時に何をのんきなことを・・・と思われちゃいそうですが、
この痛みを新鮮なうちに伝えたいというのが半分、
座っていても痛いので気を紛らわしたいのが半分、
飲みそこねてしまったコーヒーを飲みたいのが5分の3です。


オチはありません。
この腰痛まだまだ続きそうな気配です・・・。




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CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 2 ]TB[ ] 2006年12月14日22:12

先日スポーツウェアのお店に入った時の話です。
私はジャージ(下)を物色しておりまして・・・







「はっ!何でこんなところにコメリが!?」



              ※近所のホームセンター
                    コメリのホームページは
こちら



と思ったら、「ルコック」でした・・・。


                   ※ルコック(le coq sportif)フランスのスポーツウェアブランド
                    ルコックのホームページこちら 






私も立派なおばちゃんになったってことですかね・・・?






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CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 1 ]TB[ ] 2006年12月01日10:25

ちょっと昔のことですが、ある日私が自宅の電話に出た時のことです。



私:はい。

電話の相手:(男性の声で)もしもし・・・。

私:はい?

電話の相手:(涙声で)・・・わかる?わかる?

私:あのー、どちら様でしょうか?

電話の相手:ううっ・・・(泣きながら)分かる?

私:すみません。どういったご用件でしょう?

電話の相手:(泣いている)分かる?



イライラした私は思わず、

 

私:ハアっ!?


ここで電話がガチャンと切れました。




後から考えて「あーオレオレ詐欺だ!」と気づきました。まさか自分のところにかかってくるなんて夢にも思っていなかったのでかなりびっくりしました。
そしてそれからしばらくたって、また自宅に電話があり「オレだよー、オレー!」という
ので「またか!?」と一瞬構えたのですが、よくよく聞いたら
兄の声でした・・・。やめてよ、もう。


最近の「オレオレ詐欺」は複数犯で警察や弁護士のフリをしたり、ターゲットの個人情報を手に入れて真実味を持たせたりとかなり悪質な手口が増えているようですね。ほとんど「家族の身に何かが起こった」という設定のようですが、人の気持ちを悪用する卑劣な犯罪です。「それだけの労力を使うなら真面目に働け!」と言いたいところですが、残念ながら私達が自衛するほかはないのかもしれませんね。対策としては「かけなおす」と言う言葉で大体撃退できるようですが・・・。


最近はそんな犯罪やセールスが多いのでナンバーディスプレイにしました。そしてあやしい電話に出る時は苗字を名乗らず「はい」や「もしもし」で出るのですが、時々セールスの人に「おかあさんは?」「おうちのひとはいるかな?」と聞かれてしまうことがあります。そんな時は



「おかあさんはいまうんこでーす!」
「ながいからでられません!」



とでも答えてみたいところですが、万が一知り合いだったら怖いので
まだ言ってません。





※もしもお食事中のかたがいらしたら大変申し訳ありません。
  このブログは時々ちょっと下品ですのでお気をつけください。

CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 2 ]TB[ ] 2006年10月13日11:03

-前回からの続き-


「1300gカレーお願いします!」

私がそう告げると店員さんは少し驚いたようでしたが、さすがはカレーの
プロです。にこっと笑いながら「かしこまりました。お客
様、1300gカレーに挑戦するのは初めてですか?」店員さんは私が初めてであることを告げるといろいろルールを説明してくれました。確か・・・・


○1300g以上であればどんなカレーでも良い。トッピングも自由。
○30分以内に全て食べきること。(20分だったような気もします。
  何分大昔のことなので記憶が少し曖昧です。申し訳ありません。)
○食べている間は席を立ってはいけない。
○水や福神漬けなどは自由に食べて良い。
○少しでも残してしまったら全額支払いをすること。

 

こんなところでした。続けて店員さんは言いました。
「もし成功したら女性では県内で2人目ですよー。頑張ってくださいね!」
県内で2人目!?成功した女性がいる!?よしっ!
私は俄然やる気になりました。


頼んだメニューはポークカレーの甘口1300g。それに納豆をトッピングしました。この時夫が何を頼んだのかははっきりとは覚えていませんが、
普通サイズ(300gくらい?)のカレーだったと思います。

 

ドキドキしながら待つこと数分・・・・

 


遠くからカレーがやって来ました。
正確に言うと店員さんが運んで来てくれたのですが、その尋常でない大きさでは「カレーが近づいて来た」と呼ぶしかありませんでした。4人がけのテーブルにどーんとおかれたカレーライスはまさに「キング・オブ・カレー」と呼ぶにふさわしい一品でした。お店の中のすべての人が私の仰天した顔を見てクスクスと笑っているような気がしました。


店員さんはストップウォッチをテーブルに置き、


「では、どうぞー!」と掛け声をかけました。

 

 

私はガッとスプーンを掴み、カレーに向かいました。
まずはライスです!「初めはあえてご飯のみを食べ、ご飯が減ったらカレーをつけて食べる。」これは飽きないための作戦です。スプーンに山盛りの
ご飯をのせ、一気に丸呑み!決して噛んではいけません。
満腹中枢を働かせてはならないのです。

私は作戦通りライスを口に入れました。


「熱っ!」


「ライスをくずせ!熱を逃がすんだ!」


夫がメニューでカレーを扇ぎながら指示を出します。
カッカッカッとスプーンでライスの山を崩しながら、私は必死でライスを
丸呑みし続けました。


「よしっ!いいペースだ!頑張れ!」


夫の応援が励みになります。


時々視界の端に、店員さんの姿が見えました。交代で私の様子を見に来たようでした。店員さんはニヤニヤと笑っているようでしたが私はそれどころではありません。ライスをひたすら飲み続けました。
そして、ライスが半分くらいに減った頃・・・


「よし、カレー食え!カレー!」

 

夫からのアドバイスで、私はご飯にカレーをつけて食べ始めました。

 

うまい!ココイチのカレーはうまいなあ。

 

この頃で確か7、8分だったと思います。
そして10分くらいでほぼ3分の2を食べ終えました。

それからがきつかったです。水を飲んだり福神漬けを食べたりしながら
少しずつカレーは減っていきました。残り5分くらいの頃でしょうか。店員さんが来て「すごい!あと半人前ですね!」と言ったのを覚えています。

 

 

 

半人前・・・半人前のカレーの前に私は崩れ落ちました。


「いやあー、女性の方でこれだけ食べたら大したもんですよ!」


店員さんのフォローも私には虚しく、肩を落としてレジへ向かいました。
夫は私のカレーの代金を払ってくれました。
夫の優しさが身にしみました。

 

 

もう10年も前の話です。

 

あれから10年の月日がたちましたが、いまだ私の闘志は衰えておらず
家族で回転寿司に行くと、夫の皿の横に私の皿を積み上げ枚数を競って
しまいます。いまや私は家計を預かる主婦ですから、そんなことばかり
していては、やりくりが大変になってしまうと分かっていながらも
やめられません。





夫はいつも「ほんとにお前は負けず嫌いだなあー。」と笑いますが、
かといって私に勝ちを譲ってくれたことはないのです。ただの一度も。

 

 

 


CATEGORY[ママラッチ]
コメント[ 0 ]TB[ ] 2006年10月13日09:53

-前回からの続き-




こうして私は「1300gカレー」に挑戦すべく、夫とともにCoco壱番屋に向かいました。本当は夫と2人で挑戦して私はあくまでも「彼に合わせて挑戦している付き合いのいい彼女」のような雰囲気でいきたかったのですが、一度成功した人はもう挑戦することはできないとのことでした。お店側としても
何度も「ただ食い」をされてはたまりませんし、そのことに関してはまあ仕方がないとあきらめました。


お店の入り口のドアを開けたとき、ショーケースが目に入りました。
近づくとそこには、まさに今私が挑戦しようとしている「1300gカレー」の
サンプルがありました。ものすごい量に私は目を疑いました。
夫は本当にこれを食べたのか!?私がそう聞くと夫はニヤーと笑い「絶対無理だからやめとけ。」「大食いコースはやめて辛さを極めたらどうか。」
とさらにニヤニヤしながら言いました。




実は私もサンプルを見た時点で「これは絶対無理。人間の胃袋の限界を
超えている。」と思ってはいたのですが、夫に啖呵を切ってしまった手前
すごすごと引き下がるわけには行きません。「私はやるよー。」と言いながら私は夫に私の財布を広げて見せました。中には小銭が数枚入っているだけです。もしも失敗したら代金を払わなくてはいけません。
(1300gカレーは1500円くらいだったと思います。)

これは「絶対に食べきってみせる。」という決意を夫に見せ付けるための
パフォーマンスでした。と同時に自分を追い込む心理的な作戦でもありました。もしも失敗したら夫に頼み込んでお金を借りることになります。
そんな屈辱を味わうわけにはいきません。



夫はニヤニヤしながら「おっ!気合入ってるねえー。まあもしも失敗しても俺様がおごってやるから心配するな。どうせこの間タダだったし。」というような事を言いました。「気取りやがって!今に見ていろ!」と思いましたがほっとしたのもまた事実です。

 


そんな訳で私たちは店内に入りました。
「いらっしゃいませー!」店員さんの元気な声が響きます。夕方早い時間で店内に人はほとんどいません。あまり大勢人がいると恥ずかしいので空いていそうな時間を狙ったのでした。注文の前に店内を見渡すと、アルバムが置いてあるのが目に入りました。ははあ、これが例の「成功者」たちの写真だな。私はアルバムを手にとって眺めました。いかにも「柔道部です!」というような大柄な男性、どちらかというと細身の男性、みんな空になったカレー皿を片手に微笑んでいます。しかしアルバムに女性の姿はありませんでした・・・。


アルバムを閉じると私は席に戻りました。
店員さんが私たちの席に来て言いました。



「ご注文はお決まりですか?」



私はキッパリとこう言いました。

 

 

 

 

 


「1300gカレーお願いします!」

 

 





-長くなるので続きます-

 


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