私は以前大阪に住んでいたことがあります。
もともとは他県の出身で大阪にいたのはわずかな期間なのですが、その時の話です。大阪に来て驚いた出来事、それは「いきなり話しかけられる」ことです。
ある日近所のドラッグストアで洗濯用の洗剤を選んでいたら、隣にいた年配の男性が
「なあなあ、これってどうちがうんかな?」
と私に話しかけてきました。男性の手には2つの「洗濯機のクリーニング剤」。驚く私に男性はなおも話し続けました。
「値段はこっちのが高いんやけどな~。こっちのが(汚れが)よう落ちるんかな?」
私はとりあえず「成分表示では同じような感じだから安いほうでも良いのでは」と答えました。男性は
「それもそうやなー。」
とレジに向かって歩いて行きました。ほっとしたのもつかの間、今度は私の背後にいた年配の女性が、
「なあなあ、これってどっち買えばええ?」
と話しかけて来ました。女性の手には2種類の哺乳瓶の吸い口(乳首)が。私は「哺乳瓶のメーカーによって対応する乳首が違うこと」や「開いている穴の大きさによってミルクの出る量が違う」ことなどを説明しました。
「助かったわー。娘に頼まれててん!ほな!」
女性は笑顔で走り去っていきました。
一つ言っておきますと、私が店員に見えたということはあり得ません。
手には買い物かご、背中には赤ん坊をしょっていたのですから。
他にも私が父と買い物(ダイソー)に行った時、いきなり隣にいた男性(推定60歳)が
「なあなあ、お父さんええサンダル履いとるやん!ここで買うたん?」
と話しかけてきたこともありました。その後男性は自分のサンダルは歩いていると小石が入ってしまって困ることを力強く話して去って行きました。私はそのサンダルが「イズミヤ(近くのスーパー)」にあることを伝えるのが精一杯でした。
驚くのは話しかけることに何の躊躇もなくいきなりフレンドリーに「なあなあ!」から会話が始まること、そしてそのように話しかけられるとこちらもつい笑顔で答えてしまうことであります。
子どもを連れて歩いているせいで話しかけられることが多かったのだとは思うのですが、そこらで初めて会った人と並んで話しながら歩くことにも慣れた頃、大阪から引っ越すことになりました。
慣れればこんな雰囲気もなかなか楽しいものでありまして、
また大阪に行ってみたいなあと思う今日この頃です。
※これはあくまでも私個人の体験および感想でありますので、もしこれを読んで気分を害した大阪の方がいらっしゃいましたら深くお詫びいたします。
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